小・中学生に多い肘の投球障害!離断性骨軟骨炎(OCD)とは!?
2016/10/19カテゴリー:スタッフブログ,投球障害,肘のスポーツ障害,記事
?野球肘とは
- 内側型
- 外側型
- 後方型
の3つのタイプに分けられ、痛みがある部位によって異なります。
今回はその中の一つである外側型にあたる肘の離断性骨軟骨炎(OCD)についてご紹介します。
離断性骨軟骨炎とは?
野球肘でも主に肘の外側が痛むスポーツ障害です。
小学生〜中学生くらいで発症しますが、昔に起こったものが高校生になってみつかる場合もあります。
野球以外のスポーツでも起こる場合もありますが自然に治癒することが多いようです。
どうやって起こるの?
投球動作を繰り返すことで肘の外側に圧迫が加わり続け、肘の軟骨が傷つけられます。
ストレッチ不足による柔軟性の低下やフォームに問題がある状態で投げ続けることで発症します。
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どんな症状が出るの?
- 肘の外側を押すと痛む
- 投球時のように肘を動かした時に痛む
- 肘の曲げ伸ばしが困難になる
また痛みがない場合やごく稀に内側にも痛みが出る場合があります。
早期発見の場合はさほど問題はありませんが、痛みがあるまま我慢して投げ続けると軟骨が剥がれ落ちて肘の関節の中で「ねずみ」と言われる遊離体となり肘の曲げ伸ばしが出来なくなるロッキング症状が出ます。
さらに、重症例では関節自体が変形して将来野球ができなくなるケースもあります。
当院での治療について
離断性骨軟骨炎には3つの段階があるのでその時期にあった治療していきます。
- 透亮期
- 分離期
- 遊離期
透亮期と分離期でも手術適応でない場合、ノースローで安静にして「LIPUS」で軟骨の骨癒合を促進させます。同時に肩甲骨周りや股関節を中心とした柔軟性をチェックし、可動域を広げていきます。また、フォームのチェックも行って肘へかかる負担を最小限に抑えるよう指導していきます。
分離期と遊離期は手術適応となる可能性が高いので手術後にリハビリを行っていきます。
術後のリハビリ
固定を外した後、肘の曲げ伸ばしをスムーズにするために可動域を広げていくトレーニングを行います。その後、肩甲骨周りや股関節のストレッチ、フォームチェックを行っていきます。
離断性骨軟骨炎に繋がる投球フォームとして「肘下がり」がよく言われています。
「肘下がり」の状態は肩の可動域が制限されることで、肘の負担が大きくなります。
肘下がりの投球フォームを改善するためには肩の可動域を制限している肩甲骨周りや体幹、股関節などの動きを作っていくことが必要になります。
・臀部(お尻)のストレッチ
椅子に浅く腰掛け、足を逆側の太ももに乗せます。
その状態から背筋を伸ばしたまま身体を足に近づけていきます。
・太もものストレッチ
タオルを両手で持ち、足を引っ掛けます。
ゆっくりと膝を伸ばしていきます。無理に痛いところまで伸ばし切ろうとしなくてもいいので、痛気持ちいいくらいのところまで伸ばしましょう。
脚を左右に傾けると、内側・外側の筋肉もストレッチできます。
体幹ストレッチ
仰向けに寝て身体を捻ります。
この時に肩が浮かないように注意しましょう。
・肩甲骨周りの柔軟性を高めるトレーニング
四つん這いになり息を吐きながら、おへそを見て背中を丸めていきます。
次に息を吸いながら前を見て、肩甲骨を背骨の方に寄せていきます。
監修 柔道整復師・鍼灸師・あんまマッサージ指圧師 原田彰
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